5.資産管理の徹底で節税しよう!

 

 固定資産の把握をすることで、節税に繋がります!

  

 決算書の貸借対照表に記載されている固定資産は、実在していますか?

  

 久しぶりに固定資産台帳を見て、「こんな資産は、とっくに無いよ!」という事はないですか?「税理士に任せているから・・・」では、十分な節税を果てしているとは言えません。

  

 事実、税理士に任せているはずの御社の決算は、通常、一事務員が申告書まで作り上げ、必ず税理士が一連の流れを見ているとは限りません。

 

 固定資産台帳を自社で管理作成していない場合は、まず固定資産台帳を毎期チェックし、廃棄しているものについては、除却をして費用計上をしましょう。

 また廃棄していない場合でも、倉庫や工場の片隅に眠っている資産など、今後事業に使用しない、出来ないものについても、除却処理が可能です。(税法用語で「有姿除却」と呼ばれています)

  

そして出来れば固定資産台帳とは別に時価の把握も常に心がけましょう!

  

そうすることで、含み益のある資産を売却して赤字と相殺し通算する、或いは含み損のある資産を売却して黒字と損益通算するというような方法を選択する事が可能となります。

 

 

 

在庫管理で節税!

  

 在庫とは、お金を投資したにもかかわらず会社に寝ている財産の事で、翌期以降の売上原価を構成します。

 しかし長年在庫のままという商品も少なくありません。そこで在庫商品を費用化する事で、節税できる方法を3パターンご紹介します。

   

1つ目は見切り処分で売却する方法

2つ目は評価損を計上する方法

3つ目は商品そのものを廃棄処分する方法

 

 尚、2つ目の評価損の計上については、利益操作を排除するため、税法上認められるケースが限定されているので、ご注意下さい。

 資金不要の永久的な節税となりますので、税務調査の対象となりやすい項目です。客観的な証拠を残しましょう!

 

評価損が計上できるケース

  • 季節商品の売れ残りなど、今後通常の価額で販売できない
  • 新しい型や品質の商品の販売開始に伴い、従前価額では販売できない
  • 破損、型崩れ、棚ざらし、品質低下などにより通常の価額で販売できない
  • 災害による著しい損傷があった場合や会社更生法等による評価替えがあった場合など

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「取得価額 - 見切り処分価額」が評価損として費用計上ができます。

 

 

不良債権で節税! 

 

 商売歴や長い場合や個人の得意先が多い場合などは、不良債権が発生し易いものです。

 

 売上は当然のように課税されますが、売掛金を回収しなければ税金を支払う事も出来ません。もし債権が回収されなければ課税されてお終いとなってしまいます。

 

 そこで税法では、これらの不良債権をいくつかの基準を設けて、貸倒処理を可能にしており、その分だけ税金を取り戻させる事を認めています。

 

税法上、貸倒損失が計上できるケース

★法律上の貸倒れ

債権の全部又は一部が法的手続きにより切り捨てられた場合等

 

★事実上の貸倒れ

債権の全額が債務者の資産状況、支払い能力等からみて回収不能となった場合

  

★形式上の貸倒れ

債務者との取引停止後、1年以上経過した場合等

 

上記いずれかに該当すると貸倒損失が計上できます!

 

3つの要件のいずれかに該当しない場合でも、「引当金」という形で債権金額の全額ではありませんが、一部費用計上する事も可能です。